フロム・ソフトウェアが手がける新作スピンオフ『ELDEN RING NIGHTREIGN』(以下、NIGHTREIGN)が発売初日で全世界200万本を突破した。一方で、Steamレビューでは「賛否両論」、Metacriticでは77点と、爆発的な支持とはやや距離がある評価も見受けられる。なぜここまで評価が割れるのか。筆者はその理由の一端に、“神秘性”という本作の性質があると考えている。
『NIGHTREIGN』とは?スピンオフとしての期待と現実
NIGHTREIGNは、3人協力プレイを前提としたオンラインアクションRPG。『ELDEN RING』の世界観を踏襲しながら、マップ上での高速なファーミングと即断即決が求められる緊張感が特徴だ。序盤から厳しい戦闘が続き、特に初心者にとっては過酷な設計になっている。
例えばマッチングでランダムに加わったプレイヤーが道を見失うだけで、全体の進行が遅れ、やがて安全地帯が狭まり全滅へ……というシビアな展開が日常茶飯事となる。
開発側が語る「説明しすぎない」哲学
「プレイヤー同士の試行錯誤のなかでこそ生まれる発見や達成感を大切にしたい」
このような姿勢はフロム・ソフトウェアの過去作にも共通するが、マルチプレイが前提となる『NIGHTREIGN』では、逆に“説明不足”が摩擦を生む側面もある。
知識格差がプレイ体験を分断する
たとえば、初期装備の「遺物」がボスの弱点属性を持っているか否かで難易度が大きく変わるが、その情報はゲーム内でほぼ明示されない。筆者は適当に選んだ遺物を喜んでいたが、後に“クラウドセーブによるリセマラ”まで推奨されていることを知り驚かされた。
ユーザーの反応は真っ二つ
- 「マルチの初心者切り捨てがすごすぎて草」
- 「遺物ガチャに失敗したら15分ムダ」
- 「ソロ専用モード出してくれ頼む」
- 「神秘性はいいけど、味方が意味不明な行動すると地獄」
- 「ルールの説明もなく即死するの、もはや芸術」
神秘性がもたらす“ゲームとしての弱点”
『ELDEN RING』にあった神秘性——プレイヤーの想像力を掻き立てるような世界観や不親切さは、シングルプレイであれば魅力だった。しかし『NIGHTREIGN』では、その神秘性がマルチプレイの足かせになってしまっている。
たとえばアーツ(必殺技)も用途が不明なまま出現し、「何これ?」と混乱するプレイヤーも少なくない。攻略サイトで調べたところで、実際にその通りに動作するかどうかも不透明。初心者と上級者の差が大きく、マッチングの不均衡が軋轢を生む構造となっている。
今後の展開と課題
現時点で公式から発表されているのは、アップデートによる遺物ドロップ率の改善や、TIPS機能の追加といった小規模な調整のみ。より抜本的な改善——マッチングロジックの見直しや、チャット機能の強化、チュートリアルの追加などが求められている。
また、時間が経つほど初心者の居場所はなくなっていく。そうなる前に、“神秘性”という看板に甘えず、誰でも入りやすい導線を構築できるかが本作の命運を握るだろう。
「もうだめだ~~~!」と叫ばれることなく、皆が楽しめる『NIGHTREIGN』になる日を期待したい。
管理人
出典URL:https://jp.ign.com/elden-ring-nightreign/79677/opinion/elden-ringnightreign



みんなの反応